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外傷性腹壁ヘルニア

5㎏のトイプードルの子が1週間前にオスの超大型犬に咬まれ、立てなくなったとのことで来院された症例です。
胸から腹部にかけての内出血と腹壁の膨らみが認められたことから外傷性の腹壁ヘルニアと診断しました。
皮下出血は当初は一部だけですが、日ごとにこのように広がります。

外傷性腹壁ヘルニアは交通事故、口傷事故などによって発生し、臓器の外傷からの感染による腹膜炎、腹腔内出血、DIC などの血液凝固異常、多臓器不全に至る怖いものです。軽症であればよいのですが、死に至ることもあります。
本症例はその後緊急手術を行うとこのように腹壁の穿孔痕、大網の癒着、さらに進めていくと腹腔内に出血を疑わせる出血塊などが見られます。



幸い、腸管穿孔や脾臓・肝臓・膀胱などの主たる臓器の破裂には至らずでした。
口傷事故は大型犬といわずに小型犬同士でもあります。その殆どが噛まれ皮下出血ですむケースですが、こういうレアなケースもあります。
犬が噛む理由としては①病気(痛み、脳の機能異常)、②遺伝や飼育期や発育期の問題、③経験に基づく体罰・不安などの情動的行動などがあります。
散歩中やドックランで噛まれるシチュエーションはどうか・・・
①自分(噛まれる方)からぎゃんぎゃん吠え、威嚇して逆に噛まれる。
②お互いにクンクンして仲良さげにして急に噛まれる。
など・・・・
もう一つ多いな、危ないなと思うのが、
リードコントロールがなされていないケースで、特に子供やご高齢の方が手綱を握っているケースです。
特に大型犬だと力技で持っていかれます。
人もワンちゃんも怪我の無いような「わんこライフ」を願います。




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