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インフォメーション 2ページ目

ペットの育毛に如何でしょうか?

季節性の脱毛、乾性の脱毛など皮膚の発赤や炎症などを生じない脱毛👨‍🦲を見かけたことは無いでしょうか?
こういったケースでは痒み止めや抗ヒスタミン剤、抗生剤などは効きません。
毛乳頭細胞に働きかける方法がベストです。
働きかけるって?ではどのような因子があるのでしょうか?

VEGF(血管内皮細胞増殖因子)
:細胞分裂や分化を刺激し血管新生に関わります。マウスでは体毛の太さが増大する毛成長促進効果が認められています。

KGF/FGF-7(毛母細胞成長因子)
:ヘアサイクルの成長に関与します。毛母細胞の増殖促進、活性化に関与します。

BMP4(骨形成因子)
:毛包の分化や増殖などの細胞機能を調節し、伸長期に分泌が上昇する成分。毛包の休止期から成長期への移行を促します。

βカテニン
:毛乳頭細胞活性化のスイッチの1つとしてとして重要。βカテニンタンパクがDNAと結合し毛母細胞は毛の成長に必要なタンパク質を生産するようになります。

これら毛乳頭細胞の増殖、発毛の成長維持、発毛成長期への促進にシアルマリン(カタライザー)が効果的であり、VEGF発現はミノキシジルの5倍と高いのです。

このシアルマリンは以前ご紹介したとおり九州大学にて研究されているもので抗腫瘍効果があると書かせていただきましたが、育毛分野にもよいとのことで、すでに人用としても発売されております。

このカタライザーミストスプレーを当院でも取り扱いが可能となりましたので、ご興味のある方はご相談ください。


被嚢性腹膜硬化症

被嚢性腹膜硬化症とは、もとは人医学で命名された病態ですが、腹腔内を覆っている腹膜が腸、卵巣子宮、膀胱などを包み込んで癒着してしまう病態のことです。
当院でも、ここ数年で犬猫含め10頭ほどの症例に遭遇しております。
最も遭遇するのは、避妊手術の際に偶発的に発見するパターンです。
勿論、症状を示していない状況で、開腹して発見されるので、オーナー様も寝耳に水といった状況での事後報告となります。

開腹すると、ご覧のように小腸が膜性癒着しております。
適切な例えかどうかわかりませんが、「蜘蛛の巣に引っかかったものを丁寧にはがす感じ」です。

このように電気デバイスで慎重かつ丁寧に剝がしていきます。
小腸・大腸・卵巣子宮・膀胱が概ねくっつき合っています。
この状況では腹腔鏡手術は余計時間がかかり不向きとなります。

次は、症状有り、1歳猫の嘔吐症例です。
習慣的に吐く、食欲も徐々に無くなったとのことで当院で検査したところ、機能性イレウスにしてはおかしいため、開腹下にて精査しました。十二指腸、空回腸で膜性癒着しておりました。

このように十二指腸がS字クランク的に走行しており、漿膜面に腹膜が膜性癒着しております。

小腸も同様でした。
このこは手術後に、症状は消失しました。
これらの原因はまだ分からずですが、ここ数年増加しております。
徐々に当院も経験を積んで、概ねの対処法が分かってきたように思います。


やはり怖い、子宮蓄膿症

子宮蓄膿症は未避妊、高齢のワンちゃんで発症します。
ホルモンバランス異常により、免疫力が低下し子宮内に大腸菌などの細菌が定着し蓄膿症に至ります。
根本的原因は、外科的子宮卵巣摘出となります。
合併症は様々ですが、今回はやや程度が重いもので壊死した子宮壁から血膿が漏出して、濃腹を起こしておりました。

状態は非常に悪く、敗血症から低血圧性ショック、血液凝固異常を起こしており、また術後も低血糖、急性腎不全となりました。

こちらは摘出した子宮の画像ですが、鑷子を通している箇所が穿孔部位です。ここから腹腔内に漏出したものと考えられます。
術後暫くの腹水管理、感染症管理、血糖値管理、血圧管理などを施しながら、昼夜ICUにて入院管理し、無事に回復・退院となりました。
「子宮蓄膿症は外科で取れば治る」では無く、全身疾患となり、病態に則った内科管理が治癒のカギと言えます。


薬価の価格変更

本年3月に、製薬会社(ゾエティスジャパン、物産アニマルヘルス、ビルバックジャパン)より薬価改正の通達がありました。
当院で取り扱いのある主な対象は
アポキル錠(3.6㎎、5.4㎎、16㎎)※アポキルチュアブルは据え置き
アピナック錠(6㎎、12.5㎎、25㎎)
コンセーブ錠(25㎎、100㎎)
プロナミド錠(5㎎)
ビクタス錠(10㎎、20㎎、40㎎)
リバフィットS
ダームワンペプチド
などです。
理由は原材料費、原油価格の高騰に伴う輸送コスト上昇などです。
それに伴い、恐縮ですが薬価を1錠当たり2円~10円上げさせて頂きたいと存じます。
多くのオーナー様方にご迷惑お掛け致しますが、ご了解賜りますようお願い申し上げます。






内視鏡の本

今回、新たに内視鏡の本を購入しました。
著者は九州の名医である高橋ペットクリニック院長の高橋雅弘先生です。

私も若造の新人時代に臨床のノウハウを叩き込まれましたし、ここからスタートしたくらい原点となったところです。
内容も分かりやすく、情報も充実しており、また内視鏡学を深めていきたいと思います。
地域のペット達のために、Fight !!


医療機器

先日、鏡視下手術用の光源装置の調子が悪くなったために、karl storzのKさんに来てもらい機種の入れ替えをしてもらいました。
従来のキセノンからLEDタイプに交換となります。
手術用の無影灯と同様に、こちらの光源も LEDが主流になってきているようで、省エネで長持ちします。
新しく機器を入れると、気持ちが引き締まりますね。


猫の犬歯破折

室内飼育の若齢猫ちゃんが、2階の手すりから落下し上顎犬歯を破損したため、歯科治療で当院に来られました。
麻酔下で患部の状況を精査します。
御覧の通り、両側犬歯が途中で折れております。

左側は縦方向にも亀裂が入っております。このように薪割りのように縦に破折した場合、歯髄の状況によっては全抜歯となりますが、レントゲン等でも判断して修復で温存可能と判断しました。

破折面を適切な部位で切断して、丁寧に作業を進めていきます。

イメージ通りに仕上げていきます。

犬と比較して猫の歯の破折は数的に少ないのが現状と思いますが、犬と違い臼歯ではなく犬歯が多く、90%が露髄を伴います。
その原因は1位が落下事故、2位が吸収病巣です。
高所からの落下はお気を付けください。

腹腔鏡下避妊手術

人医では低侵襲医療として鏡視下手術が普及しておりますが、動物医療でも近年同様の傾向があります。
鏡視下手術とは細い硬性鏡を体内に入れることで、患部を大きく切開することなく小切開で処理をすることで、痛みが軽減され術後の早期回復をもたらし、退院までの期間が短縮され、術創も小さくなることもメリットといえます。
術者側としても、カメラを通じ拡大された視野の中で操作するため、細かい血管の走行を確認しながら作業を進められるために、丁寧な手術を行なうことが出来ます。

先般、15㎏の中型犬の腹腔鏡下避妊手術を行ないました。
通常の開腹手術では中型犬では10cm程度の切開創ができますが、腹腔鏡では各ポート1㎝程度を3か所切開します(第3ポートは摘出する卵巣・子宮のサイズによって開大します)。

このように3つのポートからトロッカーを挿入し、⓵電気デバイス、②硬性鏡、③鉗子を扱い操作します。


カメラ越しに卵巣にカウンタートラクションを掛けながら、処理していきます。


専用の長い電気デバイスを用いて処置します。


青線が通常の開腹手術ラインですが、比較的にコンパクトに済みますので、術後の回復はやはり早いと思います。
鏡視下手術は人医からの派生技術ですが、確かなメリットはありますね。
しかし、避妊手術に限っては当院では全ての動物に腹腔鏡下避妊手術を推奨していません。
体格、並行して他の手術を行なう(大型犬などの予防的胃固定)、オーナー様の考え、先天的基礎疾患の有無(被嚢性腹膜硬化症)などを鑑み判断します。



ゴールデンウィークの診療について

ゴールデンウィークがもうすぐ始まりますが、患者様からお問い合わせがあり掲載を忘れていました。申し訳ありません。
遅ればせながらGW期間中のに当院の診療日程は以下のようになります。


4月29日(月) 9:00〜12:00 (午前診のみ)
4月30日(火) 休診
5月 1日(水) 9:00〜12:00  16:00〜19:30
5月 2日(木) 9:00〜12:00  16:00〜19:30
5月 3日(金) 9:00〜12:00 (午前診のみ)
5月 4日(土) 9:00〜12:00 (午前診のみ)
5月 5日(日) 9:00〜12:00 (午前診のみ)
5月 6日(月) 9:00〜12:00 (午前診のみ)
5月 7日(火) 休診

5月8日から通常診療となります。

フィラリアおよび狂犬病ワクチン予防が始まっており混雑が予想されますので、WEBで順番予約をされてからのご来院をお勧めいたします。
WEB予約での順番が取れない場合は仰ってくださいませ、こちらPCでお取り致します。

シアルマリンの購入が可能となりました!

今回、ご紹介するのはシアルマリンという海洋性堆積物の原料を用いたサプリメント製品です。
シアルマリン研究は九州大学の故 白畑教授、現在は富川准教授がその研究を引きついでされている分野です。
シアルマリンは遥か30万年以上前の海・山の堆積物が、発酵と分解を繰り返したもので、ミネラル・アミノ酸などが豊富に含まれ、今わかって研究成果として、
⓵抗腫瘍効果:ガンの増殖抑制、血管新生抑制、アポトーシス誘導、免疫増強、インターロイキン(IL)活性化
②抗アレルギー:ヒスタミン合成抑制や放出抑制、IgEレセプター発現抑制
③抗糖尿病効果:インスリンレセプター活性抑制、血糖値の上昇抑制、
④抗菌性:非共生菌(大腸菌など)への抗菌作用、共生菌(麹菌)への増殖成長作用
⑤腸内環境の改善:善玉菌の増殖、悪玉菌の減少、ガスの吸着や分解
などがあります。
今後のその成果に期待したいですね。
今挙がっている報告例としては、慢性皮膚症、慢性腸症、腫瘍などで用いられケースが主です。
当院での取り扱いが可能となりました。
剤形として、液剤と顆粒タイプがあります。
現在、治験として、1か月間のモニターも行っておりますので、ご興味のある方はご相談ください。





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